ATEM 関西事務局
京都女子大学外国語教室
横山仁視研究室
Tel: 075-531-9041
e-mail: yokoyama@kyoto-wu.ac.jp

お知らせ

2011年09月20日

◆映画英語教育学会(ATEM)関西支部第9回大会プログラム◆

※プログラムのpdf.版が必要な方は事務局(yokoyama@kyoto-wu.ac.jp)までご連絡ください。
添付メールで送信させていただきます。

(日時) 2011年10月8日(土)、10:00-17:30
(会場) 京都女子大学、「模擬法廷教室」(F校舎2階)
(受付) F校舎2階
(参加費) 無料。どなたでも自由に参加できます。
(内容) シンポジウム映画上映、研究発表、シンポジウム、特別講演、交流会

(プログラム)
総合司会: 倉田 誠(ATEM関西大会実行委員長兼副支部長・京都外国語大学)
10:00-12:00 映画『十二人の怒れる男』上映(F校舎2階・模擬法廷教室)
12:20-12:30 開会の辞・支部総会(F校舎2階・模擬法廷教室)
司会: 横山 仁視(ATEM関西事務局長兼副支部長・京都女子大学)
挨拶: 藤枝 善之(ATEM関西支部長・京都外国語短期大学)

[研究発表]
司会: 北本晃治(帝塚山大学)
12:30-13:00 1.「映画に見るbe toについて」衛藤 圭一(帝塚山大学・非)
13:00-13:05   休憩
13:05-13:35 2.「映画英語データにみる資格試験用語彙教材の妥当性」山本 五郎(広島大学)
13:35-13:40    休憩
13:40-14:10 3.「映画の台詞に見られる描写述語の多様性」松井 夏津紀(チュラーロンコーン大学)
14:10-14:15    休憩
14:15-14:45 4.「習熟度別教育に対応した映画教材の開発」角山 照彦(ATEM会長・広島国際大学)
15:45-14:505   休憩

[シンポジウム]
司会:横山 仁視(ATEM関西事務局長兼副支部長)
14:50-16:30 テーマ: 映画 『十二人の怒れる男』 徹底活用法
パネリスト:
1. <英語学の視点から>
「テレビ版と映画版の両方に観られる「穴構文」とその生産性」倉田 誠(京都外国語大学)
2. <アメリカ法の視点から>
「Beyond a reasonable doubt―「少年が父親を殺した」ことに合理的な疑いは残らないか?」
家本 真実(摂南大学)
3. <英語教育の視点から>
「中等教育における映画『十二人の怒れる男』活用法」松葉 明(名古屋市立平針中学校)

16:30-16:405   休憩

[特別講演]
司会: 藤枝善之(支部長)
16:40-17:30 「陪審員制度と『十二人の怒れる男』」藤倉 皓一郎(東京大学名誉教授)

17:30 閉会の辞 横山 仁視(ATEM関西事務局長兼副支部長)

[交流会]
18:00-19:30 支部交流会(「ザ・ブッフェスタイル サラ」、四条烏丸、COCON烏丸3F)
司会: 井村 誠(ATEM関西研究委員長兼副支部長・大阪工業大学)
挨拶: 藤枝 善之(支部長)

【発表概要】
●「映画に見るbe toについて」衛藤 圭一(帝塚山大学・非)
本発表では、通例「予定」や「規則」などの意味を表すbe toについて扱う。一般に、同表現は硬い書き言葉で使用され、ここ数十年の間に使用頻度が減少していると言われている。しかし、映画英語のセリフに目を向けると、当該表現の使用が少なからず観察されることから、『刑事ニコ 法の死角』(1988)や『アウトブレイク』(1995)を含めた映画を題材に、その意味と機能を検討する。また、構成性の観点から、be toのもつ響きについても考察したい。

●「映画英語データにみる資格試験用語彙教材の妥当性」山本 五郎(広島大学)
資格試験用の英語語彙教材では、対象とするテストの出題傾向を考慮した結果、扱う単語が偏ったり単語の定義が限定的になってしまうというリスクがある。今回の発表では、TOEIC対策用語彙教材で取り上げられている単語と定義の妥当性を、映画英語データで検証することで、語彙教材開発の課題について考察する。なお、検証対象としては、TOEIC対策用教材の一環として広島大学で構築中の「広大スタンダード語彙リスト」を取り上げる。また、映画英語データについては『キャスト・アウェイ』(2000)や『ダイ・ハード4.0』(2007)を含む2000年以降に公開された映画のデータベースを用いる。

●「映画の台詞に見られる描写述語の多様性」松井 夏津紀(タイ、チュラーロンコーン大学)
主動詞が表す行為に伴う主語や目的語の状態を述べる描写述語を含む描写構文は、映画の台詞にも多く見られる文構造である。描写述語には、形容詞タイプ([I]t would have eaten me alive. 『ペネロピ』(2006))と名詞タイプ(You either die a hero…『ダークナイト』(2008))のものがあるが、動詞と共に慣用句的に使われるというわけではなく、その使用例は多様である。本発表では『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』(2008)などの映画に用いられている描写述語の使用法を考察し、それらの描写述語がどのような条件で出現しているのかという点について論じる。

●「習熟度別教育に対応した映画教材の開発」角山 照彦(ATEM会長・広島国際大学)
学力の多様化が進む中、多くの大学で習熟度別教育が実施されており、教員もこれまで以上にきめ細かな指導が求められている。また、授業外での学習量を確保するためeラーニングを導入する大学も増加しつつある。大学英語教育を取り巻く昨今のそうした状況に、映画教材はどのように対応できるのであろうか。また、中・下位層の学生に対して動機づけを超える効果は果たして得られるのであろうか。本発表では、『ローマの休日』(1953)『シャレード』(1963)をいったパブリックドメイン映画を活用した習熟度別教材の開発と実践について報告したい。

●「テレビ版と映画版の両方に観られる「穴構文」とその生産性」倉田 誠(京都外国語大学)
英語には、(1)のような「穴構文」と呼ばれる、特殊な構文が存在する。(1) Bruce kicked a hole in the wall. 「ブルースは蹴って、壁に穴をあけた。」<行為動詞+a hole / holes+(in名詞句)>というひな型があるが、目的語の位置にあるa holeは動詞kickによって選択される要素ではないことは一目瞭然である。本発表では、「穴構文」と他の類似現象を比較すると同時に、『12人の怒れる男』の穴構文の生起例を始めに、他の映画の生起例を観察し、その生産性に焦点を当てた議論をする。

●「Beyond a reasonable doubt―「少年が父親を殺した」ことに合理的な疑いは残らないか?」
  家本 真実(摂南大学)
『十二人の怒れる男』では、最初にたった1人の陪審員が被告人を有罪だと断言できないと主張します。刑事裁判では、検察官が「合理的な疑いを超え て(beyond a reasonable doubt)告人が有罪と立証」できたかどうかを、言い換えれば被告人が犯罪をおこなった事実の有無を判断するのは陪審の役割です。そこで「合理的な疑い」とは何か、12人の陪審員はどこに「合理的な疑い」を見出したのかを考えたい。

●「中等教育における映画『十二人の怒れる男』活用法」松葉 明(名古屋市立平針中学校)
「物語は脚本さえ面白ければその場所は関係ない」という説を体現する作品として引き合いに出されることの多いこの『十二人の怒れる男』は,中学生に難しすぎるのではという声を聞きます。しかし、この作品を楽しみ、感動する生徒の数は中学生ですら少なくありません。英語という教科の枠にとらわれず、アメリカでリメイクされ、この作品を参考に,同様の映画が日本とロシアでも制作されている実情を多面的な角度から迫ってみたいと思う。